妊娠中におすすめの本があります。
それがモンテッソーリ教育に関する本。


モンテッソーリ教育は「天才」を育てる教育法ではありません。しかし、知っておくと役立つ知識がたくさんつまった教育法です。
モンテッソーリ教育の「敏感期」を知っているのと知らないのでは、育児の難易度が全然違います。


3行でまとめるこの記事のまとめ
・モンテッソーリ教育の「敏感期」を知っていると、子供が可愛く思える
・ただし、モンテッソーリ教育そのものを家庭でやるのか、モンテッソーリ園(幼稚園)に入れるのか、そもそもやらないかは自由
モンテッソーリ教育とは?
まずはモンテッソーリ教育を「超」噛み砕いて説明します(噛み砕きすぎて齟齬があったらすみません…)。
マリア・モンテッソーリという女医さんは昔、知的障害のある子供たちが一心不乱にパンを集めているのを見て、感覚的な刺激に飢えていることを発見します。それから感覚を刺激する玩具を与えることで、健常児よりも知能指数が上回るという結果が得られました。
その後モンテッソーリは「敏感期」というものを見つけました。超噛み砕いていうと、大人からすれば「そんなことをする必要はない」ように見えることを、子供では一心不乱にやる時期があります。先程でいう「子供が一心不乱にパンを集めること」もそうですね。それが「敏感期」です。
しかもその「敏感期」に適切な環境や刺激(先程でいう玩具、モンテッソーリ教育で言われる「教具」)を与えることで、容易にその事柄を取得できるとされています。
また、モンテッソーリ教育で注目を集めているのが「モンテッソーリ教具」と言われるような、子供の感覚を刺激する道具です。先程の言い回しでいえば「感覚を刺激する玩具」ですね。
さてさて、モンテッソーリ教育というと、この教具ばかり注目を受けがちですが、モンテッソーリ教育の本質は「子供をよく観察すること」に他なりません。
育児の中で「子供はなぜ、なんでこんな意味のないことばかりするのだろう」「何が不満なんだろう」ということが多々あります。子供をよく観察すると、それが子供にとって「今やらなければならないこと」だということがわかります。
モンテッソーリ教育の、特に「敏感期」を理解することで、「子供にとっては今やらなければならないこと」「今それができなくて不満で泣いている」と分かるのです。
この「大人にとっては意味のない行動」だとしても、敏感期に適切な教具や環境を与えることで、その特定の事項を容易に取得することができます。
このときに「また意味のないことばかりやって…」とカゴを取り上げたり、カゴにフタをするのではなく、適切な教具(ポットン落としのようなおもちゃ)を与えることで手先が器用になります。(手先の運動を獲得するということ)
モンテッソーリ教育は奥が深いので、ざっくりいうとこんな感じ、というように覚えていればまずは大丈夫です。
育児書よりも「モンテッソーリ教育の書籍」をおすすめする理由
個人的には保育士資格を取得する際にモンテッソーリ教育については勉強していましたが、保育士資格関係なく、モンテッソーリ教育は出産前に知っておきたい知識の1つだと思います。
まず、モンテッソーリ教育の「敏感期」という概念。この「敏感期」という概念は万能だと個人的には思います。「大人には理解できない行動」の大半がこの「敏感期」で説明がつくからです。
前述の息子の「カゴからものを取り出し、しまう」もそういう敏感期だと思えば温かい目で見守れますし、息子が集中できるような環境やおもちゃ(教具)を用意することで、集中力が養われます。そして集中していてくれる間に家事ができるという、親にも嬉しい効果があります。
2つ目に、どんな育児書を読んだところで、育児書通りに子が育つわけではありません。かつ、育児書に書かれているようなことはネットですぐ調べられますし、具体的な体験談も検索結果に表示されます。「子供が泣いて寝てくれない」などは、体験談の方が役立つこともあるくらいです。
我が家の場合、まともな育児書は母子手帳の副読本くらいで(それも対して読んでいない)、あとはネットの知識の方が多いです。「医師監修」の記事も多いですしね。
モンテッソーリ教育を実践するか否かは別問題
これまでモンテッソーリ教育のいいところばかりをあげてきましたが、やるかやらないかは別問題です。個人的には2つのハードルがあると思います。
1つ目は「モンテッソーリ教育を正確にやる」というのは難しいです。教具は高価です。手作り教具は作れなくはないですが、ネットに載っている教具でも「ちょっとこれは教具とはいえないのでは…」というものもあります(例えば、教具では10という数を大事にしていますが、100均アイテムを使って手作り教具を作る場合、8だったり12だったりしますし、太さは鉛筆の太さに近い。つまり、次の段階にステップアップすることを前提に作られています)。
2つ目は、ということ。棚や机なども「子供目線」で用意しなければならないため、家庭では制約も多くなります。
ですから、「モンテッソーリ教育を家庭で実践するかどうか」は皆さんの判断でいいのです。私は単に「敏感期」という単語を知っていると、子育てが楽になるということを知ってもらいたいのです。
モンテッソーリ教育にデメリットはあるの?
さて、私の考える「モンテッソーリ教育のデメリット」もまとめておきたいと思います。
まずは、モンテッソーリ教育を受ければ誰でも天才になれる、というわけではないこと。当たり前ですよね。東大生約1/3が公文に行っていたと言われていますが、公文に行けば東大に入れる、というわけでもないです。モンテッソーリ教育も同じです。モンテッソーリ園を卒園した子ですら、小学校で「足並みをそろえる教育」を受ければ、普通に育ってしまう子もいます(「モンテッソーリ 幼稚園 その後」などで検索してみると、モンテッソーリ園に入れるかどうかの判断ができると思います)。
また、モンテッソーリ園に関しては、数が少ないこと、「モンテッソーリ園」を謳っていてもモンテッソーリの理念からはかけ離れた園もある(らしい)というのもデメリットではあります。「モンテッソーリ教育が全然合わなかった」という子もいるようです。「子供一人ひとりを観察する」のがモンテッソーリの基本ですが、園となると目が行き届かないこともあるのかもしれません。
最後に、モンテッソーリ教育は最近特に人気ですが、ネットの情報がすべて正しいわけではありません。こうやって記事を書いている私がいうのもアレですが…。
特にモンテッソーリ教具に関しては、前述のように「10の数」にこだわるべきところを既製品で手作りすると、どうしても「8」や「12」になってしまったり、そもそもの「目的」もなく、ただのおもちゃを「モンテッソーリ教具」としていることもあります。まあ、子供にハマればなんでもいいとは思いますが…。
おすすめのモンテッソーリ教育の本
私はモンテッソーリ教育に関する本は保育士資格の資格対策本を含め、数冊読みましたが、とりあえずはこの一冊を読んでおけばいいと思います。
文庫本で読みやすいですし、モンテッソーリ教具(この本では「教材」)の具体例も書かれています(この本では前述の数字や太さにこだわりはありません)。
この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか。
モンテッソーリ教育は奥が深いです。私が妊娠中の皆さんにお伝えしたいのは「モンテッソーリ教育における「敏感期」という概念を知っていると、子育てが楽に、楽しくなる」ということ。なんでも「ああ、今はそういう敏感期なのね」と判断することで、気持ちに余裕ができるのです。
この記事が妊娠中の皆さんの参考になればと思います。